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「あ、そうだ。 今日発売のマンガ買いたいから本屋寄ってもいいか?」
「もちろん構わないよ、急いで帰る必要もないしね。 僕が集めてるマンガも出てるかなぁ」
俺たちは最近流行りのゲームだとか、学校のことだとかを話しながら歩道を歩いて行く。
しばらく歩き、大通りの角を曲がると商店街が広がる。
俺たちは多くの人をすれ違いながら馴染みのある書店へと入った。
「うわー、相変わらず人というか……学生が多いね」
「まぁ学校から近いし、ここだけで殆どの用事が済ませられるからな。 そりゃあ沢山いるだろうな」
健治の言うとおり、この商店街は桜坂高校の近くにあるうえに、書店から薬局、ゲームセンターにレストランなど様々なお店が入ってる為、学生がとても多い。 また、この付近には桜坂高校以外にも2つの公立高校もあるのでその影響も大きいだろう。
と言うより、ここ以外である程度買い物をするとなると電車でとなり駅まで行かないといけないからな。 必然的に帰宅途中にここに寄る生徒は多くなる。
「それもそうだね。 ってか、ここが空いてることなんてまずないもんね」
「そういうことだ。 っとあったあった……、健治、お前は何か見るものあるか?」
人混みを避けながら新巻コーナーと辿り着いた俺は目当ての単行本を手に取る。 健治も新巻コーナーを見渡すが、どうやらあいつの目当てのマンガの発売日は今月じゃないらしい。
「いや、僕は特にないかな? 僕が読んでるマンガの発売日は今月じゃないみたいだし」
「そっか、じゃあ俺これ買ってくるから先に入り口で待っててくれ。」
俺は健治にそう告げると、鞄から財布を取り出しながら長い列へと並ぶ。 見た感じとは裏腹に、手際の良い店員のおかげかそれほど待つこともなく、俺はマンガを買うことが出来た。
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