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「一応聞いておくが、どーする?」
「困っている女の子がいて、それを見捨てたら男が廃るってもんでしょ!! しかも、あの子可愛い!!」
「前半部分だけならお前とてもいい奴なのにな、後半で台無しだぞ。 まぁ決まりだな、ただあまり面倒なことはごめんだからさっさと済ませて帰るぞ」
女の子、というか美少女大好き健治君がこんな状態で関わらないわけがないからな。
健治が張り切って連中に近付いて行く。 俺はと言うと、健治のあの性格に少しため息をつきながらもすぐさま後を追う。
「あのー、すみませーん。 その子僕の彼女なんで、離してもらってもいいですか?」
「あ? なんだお前」
「だから、その子僕の彼女なんですよー。 なんで返してもらえませんか?」
健治がへらへらしながらチャラ男軍団に話しかけている。 チャラ男達はナンパを邪魔されて不機嫌なのか、その中の1人が威圧的な態度で健治に食って掛かる。 俺はと言うと、健治達から少し離れた所から様子を伺う。 変に出て行ってややこしくなったら嫌だからな。
まぁ何かと人間関係を築くのが上手い健治のことだ、今回も上手くやるだろう。
「何、君こいつの彼女なの?」
「そーなんすよー。 だから--「お前に聞いてないんだけど? んで、こいつの彼女?」
「……」
明らか不機嫌そうにチャラ男Aが女の子に聞くが、女の子は何も答えず黙ったままチャラ男を睨みつける。
あの子、肝が座ってるというか……気が強そうだな。
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