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「ねえねえ、こんな奴のどこがいいの? 絶対俺達と遊んだ方が楽しいと思うけどなぁ」
「……そいつは彼氏でも何でもないし、あんた達とも遊ぶ気はないわ。 あたし急いでるの、いい加減どいてくれない?」
へらへら笑いながら話すチャラ男Aに女の子は睨んだまま言葉を放つ。 そして何故か健治は少し離れた所でチャラ男B、Cに絡まれている。
「んじゃあさぁ、アドレスかライン教えてよ!! そのくらいならいいじゃん」
「見ず知らずのあんたに教えることなんて何もないわ。 いいからさっさとどいてくれる? あんまりしつこいと警察呼ぶわよ」
「マジお願い、一生に一度のお願いだからさ」
絶対に一生に一度ではない言葉を吐きながら、なおも引き下がらないチャラ男に女の子はため息をつく。
仕方ない、このままだといつになっても終わりそうにないし俺も加勢しに行くか。 健治はしばらく戻ってきそうにもないしな。
「ねぇ、あんたら女の子1人を3人で囲んで恥ずかしくないの? どうみても嫌がってると思うんだけど?」
「お前何? 俺らさぁ今忙しいんだよね。 ってかお前高校生だよな? 何タメ口聞いてくれちゃってるわけ?」
肩を掴んだ俺を振りほどき、逆にチャラ男Aに肩を組まれる。 已然として警戒を解かない女の子、何故か今度は俺に睨みを効かせてくる。
俺、ただ単に君を助けに来ただけなんだけども……。
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