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12年前--
「葉ちゃーん、あそぼー」
「またかよ~……、まぁいいけどさぁ」
口では不満を言いながらも内心喜ぶ俺。
「葉ちゃんってかっこいーね」
「べつに……」
照れてることがバレないように素っ気なく返す俺。
「葉ちゃんっ、凜花とけっこんしよっ」
「けっこんってちゅーしあうやつ?」
「うんっ」
「べつにいいよ」
子供がする口約束の結婚なんて、ただの言葉でしかなく、それは時が経つにつれて、お互いの記憶からも消え去っていく脆いもの。
「わぁぁぁ……」
それなのに、その子の瞳はとても輝いていた……。
そう……、俺はその子と『約束』をしたんだ。
ずっと一緒だと思ってたんだ。
何も変わらず、このままの日々を過ごしていくのだと……。
なのに……。
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