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傍にいた女の子はもういない。
毎日のように鳴っていたインターホンはまるで壊れたように思えた。
俺はそれから一週間家に閉じこもった。
何もかもが嫌だった。
幼稚園にも保育園にも通っていなかった俺にとって、その女の子は唯一の友達だった。
流石にそんな俺の姿を見かねたのか、母親が俺をあの公園に連れ出してくれた。
その公園の片隅にぽつんと存在する、その女の子と作った秘密基地。
落ちていた木で作った粗末な物だったけどあの頃の俺達にとっては立派な基地だった。
そして、何かに誘われるように中に入ると一本の枝に一枚の紙が貼ってあった。
俺はその紙を読んだ。
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