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気が付けば俺の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
母親に抱きつき、長い時間泣いていた記憶がある。
女の子はきっと、自分も悲しくて辛いのを我慢していたはずだ。
それなのに、俺を気遣って会いに来なかったんだ。
自分があの子にとった行動を思い出す度、後悔の二文字が頭をよぎる。
本当に大切なものは失ってから気付く。
格好付けずに好きだって言っておけばもう少し楽だったのかもしれない。
今でも公園での最後の会話を夢に見ることがある。
結末は毎回同じで、幼い俺はあの子に好きだと自分から気持ちを伝えられずにいる。
今、一つだけ願いが叶うのなら、あの時に戻ってしっかりと気持ちを伝えたい。
今度はしっかりとあの子に好きだと伝えたい。
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