また会えてツンデレ

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 俺の名前は柊葉(ヒイラギ ヨウ)。私立桜坂高校に通う16歳の高校1年生だ。 「寒い、とてつもなく寒い」 「本当だよね。 こうも寒いと女の子達のスカートも長くなったり、スカートの下にタイツを履いたりといいことないよね」 「あ、もしもし警察ですか? 今隣に不審者がいるんですけれども」 「ストップ!! 僕が全面的に悪かった」  俺の隣で危ない発言をするのは、中学からの親友であり、悪友であり、腐れ縁である秋山健治(アキヤマ ケンジ)である。ワックスで持ち上げ、オールバックのように整えた黒い髪に、整った素顔。 見た目はイケメンなのだが、性格が残念で仕方ない。 普通にしてればかなりモテるはずなのだが。  10月も終わり、11月に入り今日もかなりの冷え込みだ。周りを歩く人々も、マフラーや手袋など、様々な防寒グッズに身を包んでいる。 「アホか、こんなことで一々警察に電話するわけないだろ」 「いや、普通に110番押してたよね!?」 「まぁ犯罪は事前に防がないといけないし……」 「うん、間違ってないよ? 間違ってないけどさ、僕達友達だよね? 親友だよね? そしたらさ、まずは説得を試みようとかないの?」 「え、下僕の間違い?」 「うん、もういいや!! 僕が間違ってたわ」  隣でわーわー騒ぐ健治を横目に、俺は白い息を吐きながら帰路を辿る。  あー、そう言えば今日発売のマンガがあったっけか。 途中に本屋あるし、寄っていくか。
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