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次の日の占いの時間に一人で歩いていると。
「あら、杖の国の方?」
フルールに会ったのだ。
「こんにちは」
「こんにちは」
フルールはドレスの裾を軽く持ち、あいさつをした。
「手紙は、届きましたか?」
「はい」
「ディアデム様の、美しさを一人でも多くの人に知ってほしいと思っていまして……」
フルールは恥ずかしそうにそう言う。
(確かに美女だったが……)
バストンもそう思ったので。
「写真からですが、気品が伝わってまいりました」
「そうですか! ディアデム様に伝えておきますね」
フルールは喜んでそう言う。
また占い場に女の人が集まる。
そこに、緊張ばかりするメイドがいたので。
「メイドさん」
「あっ、杖の国の……王子の方でしたか?」
「いえ、騎士の方です」
「そうですか、勘違いしていました、私はブルシャです」
黒いドレスのブルシャは、ドレスの裾を掴み軽く会釈する。
「私は、バ、ブレーズです」
「ブレーズさんですね?」
「はい、あのブルシャさん、占いって具体的には、どのような事を占うのですか?」
「恋占いですよ」
ブルシャはいたずらっぽくそう言った。
「こ、恋ですか」
「はい」
ブルシャは照れながら。
「女と言う生き物は、どうしても気になってしまう物なのですよ」
と言った。
「そうですか、ありがとうございました?」
少し申し訳のない質問をしたと思い焦った。
「あら、気にしなくていいですよ」
ブルシャは、軽く会釈をして、占い場に行った。
(そういえば、サフラン姫も占いに来ていた、きっと好きな人でもいるのだろう)
十五年待った姫にフラれた後なので、余計気になった。
「バストン、探したぜ」
ブレーズがむかえに来た。
「ちょっと、散歩していたんだ」
そう言い部屋に戻る。
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