杖の王子聖杯の姫に会う?

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 夜になり、風呂に入ろうと、風呂場の方へ行く。  何せ真っ暗、何も見えない。 (ここはどこだ?)  迷子になった。  噴水のある所にでたので、不思議がると。 「誰?」  女の声がした。  驚いてその女の人を見つめてしまった。  ――はだか。  初めて女の裸を見てしまった。 「あなた、見た?」  その女は、タオルで体を隠し、そう聞いてきた。 「い、いえ」  ここは、そう言うしかない。 「うそ」  汗が流れる。 「顔を見せて」  そう言い、顔に手をかけて来た。 「では、また」  そう言い水の中へ消えた。 (? いない) 「バストン、何やってるんだよ、迷子か?」 「ああ」 「風呂場は、塔二本位、遠いぞ」 「そ、そうか」  その日、部屋に戻り。 (あれは妖精だったのだろうか?)  あまりに美しかったのでこの世の者とは思えなかった。  
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