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その数時間後。
「ディアデム様?」
また騒がしくなった。
「ブレーズ、私のだんな様?」
と言い、宮殿内を歩いていたようだ。
「ディアデム様?」
「ブレーズに会うまで帰りません?」
「こちらにいますから」
「本当?」
そう言い、バストンの軟禁されている部屋に来た。
「ブレーズ、会いたかったわ」
「……」
バストンは目をそらした。
「あれ? 蜜月と言う物ではないのかしら?」
「ディ、ディアデム様!」
「二人きりじゃないと恥ずかしいのかしら? ほら下がって」
「し、しかし、ディアデム様」
ディアデムは尚、手であっちに行ってと言う。
「いいから」
「はい」
周りについていた、たくさんのお付きがいなくなった。
「ブレーズ」
思いっきり抱き着いて来た。
「……」
「?」
「そこは「愛しているよディアデム」でしょ?」
ディアデムは、恋に夢を見ている少女の様だった。
「あれ??」
「ディアデム様!」
「な~に? ブレーズ、ディアデムって呼んでよ」
「聞いてください! 私は、あなたと結婚するわけにはいかないんです」
そう言うとディアデムは。
「……」
泣き出した。
「やっぱり、私が嫌いなの?」
「あ、あの……」
女の子を泣かせたのは生まれて初めてで、戸惑ってしまう。
「嫌い?」
「あの」
「答えて下さらないなんて、嫌いなのね?」
泣くばかり。
おろおろするしかできず、とても困る。
「わかりました、わかりました、何と言えば止めてくださいますか?」
「「愛してるよ、ディアデム」って言って」
「……」
固まっていると。
「やっぱり言ってくれない?」
ますます泣く。
『愛してるよ、ディアデム』
「本当?」
(言わせたんだろ!)
「うん」
「よかった、じゃあ、結婚しましょう」
「いいえ」
「つれないな?」
ディアデムは拗ねた。
(何だか大変なことになった)
「私だって力を失いたくないの、私だって婚約者はいるけど、相手が困るかもしれないけど、私が力を失うのはもっと嫌なの」
(ディアデムも、本当は、私のことなんかどうでもいいのか?)
「私は、その婚約者の顔も知らないし、せっかく結婚するなら、ラブラブな夫婦に成りたいの、だから、よろしくね」
「婚約者がいるのなら、その人とラブラブになってください」
「だって、それじゃあ、力が失くなるもの」
一歩も譲らない二人。
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