ディアデム

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  次の日になると、聖杯の国が大騒ぎになっていた。 「どうしたんですか?」  バストンは王の所に向かい訊いた。 「これを見ろ」  そこには。 『聖杯の巫女、恋に落ちる』  の見出しが。 『すでに愛し合った仲で、もし結婚しなければ、巫女は力を失うだろう』  とも書いてある。 「何ですか? これは? 確か極秘事項じゃなかったのですか?」  バストンは慌てたのと動揺したのを隠してそう言った。 「ディアデムが流したそうです」  秘書がそう言うのでバストンは驚き。 「なぜそんなことをする必要があるんですか?」 「あなたに結婚してほしいからです、もし、国民が巫女の力をディアデムが失くしそうになったとしったら?」 「死に物狂いで、私と結婚させたがる、と言いたいのですね?」 「その通りだ」  王は、そう言い不機嫌になる。  バストンは、安全のため、王宮の奥の部屋に入れられ、また軟禁された。 「父様! いい加減にして!」  サフラン姫は王に向かい大声で。 「ディアデムお姉様の将来がかかっているんですもの、杖の王子との婚約はなかったことにすればいいじゃない」 「サフラン様、そうはいかないのです」 「いいじゃない、杖の国は滅んでしまえば」  サフランは金髪を振り乱してそう言う。 「サフラン姫?」  サフランは怒っていなくなった。
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