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「なーんか要に似てるよねぇ!」
要………………。
懐かしい名前過ぎてアタシは笑みをこぼした。
「理緒、要に散々貢いでた癖に
急に興味無いとか言い出すし、
理緒は飽き性過ぎw
店長は辞めときなよ?」
「風紀でもいいかもぉ?!!」
ニヤニヤと笑う理緒は満更でも
無いような顔で裏に店長を追いかけて
いってしまった。
アタシにはあんな男のどこが
いいのかさっぱり分からない。
五万と居るような男。
この街にはゴロゴロ歩いてる。
愛だの恋だのクダラナイ物に
アタシは振り回されたくないの。
所詮、その程度の物に
振り回されるだけ時間の無駄だから。
「アタシには……不必要よ…。」
気がつけばアタフタと店が動き出し、
気がつけば開店時間だった。
「杏奈さん。
2卓と、6卓ご指名です。
先に2卓の廣瀬さんからで。
お願いします。」
いつも通りボーイの長谷川は
無愛想に要件だけを伝えてぴくりとも
笑わない。
つまんない男だけど、
店の中で信用できるのはコイツだけ。
「失礼します。
廣瀬さんいらっしゃいっ!」
「会いたかったよ、杏奈ちゃん!」
廣瀬さんはアタシの太客で
不動産関係の社長。
小奇麗で30過ぎには決して見えない。
「廣瀬さん元気でした?
2週間もアタシをほおっといて、
会いたい何ていつも通りお上手だこと。」
アタシはふざけていつも通り廣瀬さんに
意地悪な質問を投げかける。
「またまたぁ?!
ほおっておくだなんてそっちこそ
相変わらず上手いよねほんと!」
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