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「笹本くん、呼び出してしまってすまないね」
雨後の筍…
とは、似た出来事が次々と起こることを意味する。
「お待たせしました、どうされたんですか？」
ここは大学近くの喫茶ステーション。
手元の資料から顔を上げたのは、図書館長。
すげえ、こんなひとがぼくのこと覚えてくれてるんだなあ、とか、尊敬の念は、
「いやあ、きみがご利益があるって噂を聞いたものだから」
という言葉に打ち消された。
ご利益？！
「…そうなんですか？」
「ああ、そうらしいが、本人は知らないのかい？」
「はじめて聞きました」
そういえば、最近、ふいに触られたり。
無断で写真をとられたり…
「歩くパワースポットって、聞いているよ」
…なんだそれ。
仮にそんなウワサがあったとして、図書館長が信じるなよ。
「…すみません、お力にはなれません」
「いいんだ、こちらも真に受けていたわけじゃないし、ただ、藁にもすがるおもいでね」
「なにかあるんですか？」
聞きたくないが、流れ上、聞かねばならない。
誰だよ、そんな馬鹿げたウワサ広めたのは…
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