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◆ゆく年◆
ホゥと吐いた息は白く、暗闇を上っていく。
華も藍も実家に帰ったけれどオレはそんな気分になれず、大晦日を学園の寮で過ごしていた。
シンとした冬のこの空気がオレは好きだ。
心が静まるというか、『音』が静かで心が休まる。
「受験、か…」
高等部を卒業してそのまま神官になる手もあったが、オレは神官と教師の二足の草鞋を選び、教免をとるため大学受験を選んだ。
年が明けたらすぐに受験戦争だ。
だけど、学園のイベントもある。
「楽しみだ」
ふと緩んだ口元。
呟いた言葉に答える声はない。オレは足を寮内へと向ける
もうすぐ年が変わる。
どんな1年になるんだろうか?
良い年であればと夜空をもう一度見上げ、煌めく星を見やったのだった――…
fin
………………………
ゆく年くる年というわけでゆく年は楽視点にしてみました。
今年一年お疲れ様でした。
また来年もよろしくお願いします。
2014.12.31 恭弥
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