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「すまん。どれぐらい寝てた?」
「2時間ぐらいじゃないかな…華、ダメだよ?乱暴に起こしたら」
土鍋を持った藍が部屋に入ってきた。
「ビックリしたよ、楽兄ちゃんが突然倒れたから」
「倒れた?」
記憶が曖昧だ。
オレ、何で倒れたんだろうか?
「『能力』の使い過ぎと不摂生による風邪だってさ。なんでも『聞く』のは良いけど、キャパ以上に『聞く』のは止した方がいいよ?楽兄ちゃん」
「うっ……」
痛い一言である。
「肝に命じとく」
「そーしてください。楽兄ちゃん、お腹は?」
「空いたかな~」
さっきから藍が持ってきた土鍋が気になる。
鍋焼きうどんだったら胃に負担が掛かりそうで、できれば卵粥だといいなと思ってはいるのだが……
「良かった。食堂のオバチャンにお粥作ってもらったから食べて」
「あ、あぁ。悪いな」
よしっ、粥だ。
食堂のお姉さん方の腕ならマズイ物は出てこないから、安心。
「…――ごちそうさま」
粥をたいらげたオレは一息をつく。
「ねぇ、兄ちゃん。卒業したら神官になるの?」
不安げな声で尋ねてきたのは華。
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