第1章

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そもそもこの先生がついてくる意味が分からない。 「っあ!やべ!今日夕飯俺が当番だった!!」 やべぇやべぇと急ぎだし、大家族の長男ハチは"ごめん"と言い残して走り去って行った。 「いい兄ちゃんだよね、あいつ」 「まぁ」 私が思ってたこと、言われた。 それがなんか気に入らなくて足を早める。 「え!何で行っちゃうの!話そうぜ西ノ宮くん!」 外廊下に響く外見から想像のつかないアホみたいな声に、本当にうんざりしてきた。 「その呼び方やめてください」 「いいじゃん仲良くしよ?」 …首を傾げるな首を。 「メリットありませんから」 「ちょっとそれヒド、って…これ!ゴミ!」 捨てといて、の意味を込めて振り返らずにひらひら手を振って私は部室へ急いだ。
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