第1章

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翌日、新しいリスバンを求めて近くのスポーツショップへ来ていた。 「前のやつ、具合がいいから別の色のないかな」 「何かお探しですか?…あ」 「これの、別色ありますか」 女の店員さんが顔を染めるのはいつものことだから、スルーして淡々と用件を述べる。 「おっお色は、こちらになります!」 「どうも」 うーん、 赤 青 黄色 緑… 意外にたくさんあるんだなぁ。 前のは黒だったから、 「赤が似合うんじゃないかなぁ」 は? 「げっ」 「げっ、て酷いよ西ノ宮ぁ」 何でここに…槙田がいるの。 酷い、と言って泣き真似をする高校教師。 プライベートだからラフな格好をしているが、どこぞのモデルのようだった。 すぐにニコニコ、いつもの顔に戻して 「それ買ってあげるから、お兄さんについてこない?」 「……」 待てよ。 私たち男同士じゃないから。 どうか…新しい道拓かないで、店員さん。
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