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「取り引き?」
「そ。取り引き」
片肘ついて、私の顔を覗き込む。
無駄にイケメン。
肌がきめ細かくて、鼻も高い。
目は少し切れ長。
そういえば私は、槙田の顔をしっかり見たことがなかったかもしれない。
「どした?槙田先生の顔、なんか付いてる?」
「いえ、何も…で、取り引きって?」
「あぁ。部活って休みいつ?」
「水曜ですけど」
ズズッ
あ、バナナオレ終わった。
「そーれ」
「はい?…これ?」
槙田の細い指は、私のジュースを指差して。
「毎週水曜の放課後。俺に時間ちょうだい?その代わり、バナナオレあげる」
その顔はやっぱりニコニコしてて、真面目なのかふざけてるのか、私には分からなかった。
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