第1章

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「好きです…!」 季節は夏になろうとしていた。 それでも風通しの良い程に短いこの黒髪は、そよ風で充分暑さをしのげた。 もう日常と化した光景に私は臆する事無く言葉を紡ぐ。 「すいません。恋愛ごとには興味がないので」 スカートを揺らしながら走っていく後ろ姿を特に気にもしない。 知らない人。 同性。 どうして敗戦が分かりきっているのに、そんな事をするのか。 という考えも、 体育館から聞こえるスキール音や 転がってきたバスケットボールによって頭からすっきり消え去っていた。
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