第1章

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…あった。 程よく滲んだ汗を拭いながら、机から目当ての物を出す。 「誰?」 ついでに入れっぱなしだった今日の分の手紙も取り出していたら、男の声が響いた。 「西ノ宮、ですけど」 「西ノ宮…」 そう呟くと、電気がパッと付いた。 眩しっ… 「忘れ物?見廻り、してるから」 ツカツカと近付いてくると、170㎝の私より10㎝くらいでかいらしいのが分かった。 この人誰だっけ。 先生、なのは確か。 「はい。でも見つかったんで」 「そうか、あの有名な西ノ宮か」 「…?はぁ」 「イケメンだね」 「一応女ですが」 ニコニコとするこの先生から、用が済んだ私は早く解放されたかった。 「昇降口まで送ります」 「いいです…って言っても、ついてきそうですよね。アナタ」 「よくお分かりで」 ニコニコするのは、癖なんだろうか。 考えただけで疲れそう。
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