第1章

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私からは別に話しかけなかったし、質問をされたことに答えるだけだった。 「バスケ部なんだ。そうかそうか」 興味は無いけど時間稼ぎとして話してるだけなんじゃないかと思う。 人当たりは良くてそのルックス。 なんか、誰かに似てる。 ナニ先生だか知らないけれど、生徒にもモテることだろう。 「ありがとうございました。じゃあ」 昇降口までついたらすぐにそう告げる。 「え、ちょ、さっぱりし過ぎじゃない?西ノ宮」 「何がですか」 それ以外に何を話すというのか。 「いや、ううん。家まで送ろうか?」 黒い革のキーケースを弄びながら私に問うその姿も、一々様になっている。 「いえ。大丈夫です」 「でも、」 「海里遅い!…って、あれ?マキちゃん?」
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