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声の主はハチだった。
「ほら蜂谷くん、僕は一応先生だから学校では槙田先生と呼びなさいっ」
「あ、そか!でもいいじゃん、もう放課後だよ?」
「まぁそれもそうだな。ゆずる、送ろうか」
「やりぃ!ほら、海里も!!」
「え?あ、うん」
目まぐるしいやり取りについていけないでいた私は、気づいたら槙田先生の黒のAquaに乗り込んでいた。
「あれ?海里に言ってなかったっけ?俺、マキちゃんと従兄弟だよ!」
「こらゆずる、後ろでもシートベルトしなさい」
あぁ、先生を見て似てると思ったのはハチだったのか。
目を擦ると、視界が少しぼやけた。
「そう」
「海里、眠い?」
「うん、ちょっと」
「俺にもたれていいから、寝てな?」
「…ん」
微睡む景色の中、ニカっと笑ったハチが薄く見えた。
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