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体育館から近い自販機は、部室の裏側にある。
「あれ、マキちゃ…槙田先生じゃね?」
言い直した。
ハチにしては上出来だと思う。
ハチが言ったように自販機にいる槙田先生と、取り囲むように群がる女子が3、4人。
「へー、やっぱモテるんだね」
「おう!そりゃあな!」
「何でアンタがどや顔だよ」
キャッキャしてるとこ申し訳ないけど、私は喉が渇いてる。
「ちょっとごめん」
「すいませ……やだ!西ノ宮くん…!」
案の定赤くなる女子は直ぐに避けてくれたんだけど、アホ面引っ提げた槙田先生がつっ立ってるせいで買えない。
「西ノ宮に蜂谷!部活かな?」
「おう!なっ海里!」
「昨日はどうも。あの、そこ退いてください」
「あ、あぁ」
私たちを交互に見る女子に囲まれて、バナナオレのボタンを押す。
「すごいっ!マッキー、西ノ宮くんと仲良いの!?」
「昨日ってなに!?」
「まぁ、ね。先生そろそろ戻るから、また」
「ちぇー。はあい」
ハチはコーラ。
あんだけ走って炭酸飲める所だけは尊敬してる。
部室に向かう途中、バナナオレがパックから無くなって「プス」という音が鳴ったのを合図に私は振り返った。
「あの、ついてきてますか?」
「え?バレた?」
モテ教師のニコニコ顔。
さっきの女子達ならイチコロだったろうに。
「あと仲良くないんだから、濁すように返事してあの子らに期待持たせないでもらえますか?」
「うんうん」
いや、分かってないでしょ。
この人きっと、興味を持ってないことに対して本当に冷たい。
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