prologue.

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          【珈琲を淹れる】 幾度となく繰り返される工程だが長瀬は、みのるのその姿を喰いいるように見詰めた。 アルコールランプの上に水を入れたフラスコを固定する。 ロートに挽いた豆を入れ、フラスコ内のお湯加減を見ながらロートをセット。 フラスコのお湯が沸騰したら一端火から外し、ロートを完全に差し込む。 そして再び火にかける。 フラスコのお湯がロートから下がっているボールチェーンを伝い上のロートに上がってくる。 完全にお湯がロートに上がり切る前に竹べらで素早く数回ロート内の豆をかくはん。 ランプの火を弱火ににして、15~40秒ほどそのままにし珈琲を摘出する。 摘出したら火を止め、ろ過をスムーズに行えるようにヘラでかくはんをし、 珈琲がフラスコ内に落ち切ったら出来上がり。 温めていたカップに珈琲を注ぐ。 「お待たせ致しました」 長瀬の前にとても香りの良い珈琲が湯気をたてて出された。 「お仕事お疲れ様でした。ゆっくりしていってくださいね」 「ありがと~」 .
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