*捕食者*

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「どちらのお口もそうですが…特に下の方は太いものを咥えるのが大好きでしょう?大根がないのが残念な所ですね。」 「ふ…ざける…な…。も…、いいかげんにっ…」  たったそれだけのことを言うのに、何度も肩で大きく息をつきながら、それでも、涙に濡れた目で空は聖夜を睨み上げてくる。 「気丈な人だ。つまり、ご褒美はいらないと、そう言うことですか?」 「…あ…」  ほんの一瞬、空の瞳が揺らぐ。催淫剤の効果もあって、空の中が、もう埋め込まれた玩具ぐらいでは満たされないほど疼いていることを知りながら、聖夜は平然と問いかける。 「さぁ、欲しいものがあるなら、ちゃんと言ってごらんなさい。その口で」  空は唇を噛み、恨みがましい上目遣いで聖夜を見上げたが、いつもとは人が変わったように酷薄になった聖夜が、何を言おうと決して翻さないだろうことだけは理解したのか、あきらめたようにうつむいた。
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