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「ねぇ、なんでいつも来てくれるの?」
既に朝に近い時間。
私は乱れた布団をたぐり寄せながら、小さく尋ねた。
すると彼は軽く笑って私の身体を引き寄せ、私の頭を撫で始めた。
「どした、突然? いつも言ってんじゃん、アイシテルからだって」
「そぅ」
こんなこと聞いても無駄だった。
どうせ、その五音の言葉は、彼にとって大した意味を持たないのだから。
もう寝ようと思って、掛け布団を肩まで上げようとしたその時、
「あぁ、そうだな、おまえが言わねぇからじゃね?」
急に思いついたように話すので、私は布団を持つ手を止めた。
「何を?」
「俺を好きだって」
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