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巨大都市”タイニーフェザー”
永劫に降り注ぐ雨と、西から吹く風により波状の雨がネオンの光に照らされ、巨大な鳥の羽のように見える事から名付けられた。
時刻は午後七時――
街は大量の排気ガスや化学スモッグを吐き出す数々の巨大な煙突を背景に、赤や白のネオンが色鮮やかに点滅していた。
眠ることを知らない摩天楼のビル郡が、雨のベールで虚像のようにゆらめいている。
話し声と笑いと雑踏が、行き交う車や飛び交うヘリの騒音と混じり合い、大都会のシンフォニーを奏でていた。
ビルの壁面のフォーラムテレビジョンには、どこかの紛争の模様が映し出されている。
その近くでは非合法な市場が開かれており、あらゆる人種がひしめき合いながらその賑わいを見せている。
そんな中、人混みを避けるかのように、大型のトラックがひっそりと停車していた……
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