31人が本棚に入れています
本棚に追加
思わず、そう叫びながらツッコンでしまった。
そのことに驚いたこいつは、少し踏んでる力を緩めた。
そのすきに、澪は抜け出し飛鳥に駆け寄った。
「飛鳥!!飛鳥!?」
近づいてみて、澪は驚いた。
飛鳥はにやりと口元をゆがませ、姿を男から九尾のように
姿を変えていたからだ。
「…ハハッ。よかった。澪、生きてた…」
「そんな簡単に殺られねーよ」
飛鳥は澪を見ると心底安心した様に
顔をほころばせた。
「ちえっ。逃げられちゃった。でも君が僕に勝てるかな…?」
「…だまれ…」
相手に振り向いた途端、飛鳥の魔力が一気に解放された。
その魔力は目の前とほぼ同格、いやそれ以上だった。
「な…お前になんでそんな力が…!!」
飛鳥に九本の尻尾が針のようにとがり、振りかかった。
「やめろ…!!やめろおおおおおおおおおおお!!」
周りが血だらけになるとだれもがそう思った。
しかし、そいつはポンッと猫の姿になった。
「え?」
「特別に殺さないであげる。どうして下級の所に
上級がのやつらがいるのか教えろ」
猫のの姿のそいつを捕まえている飛鳥の姿はもう、
元に戻っていた。
「いやだよ~だ。キャハッ!魔王様にあんたたちが勝てるわけないし~
キャハハハハッ!!」
「あ゛?お前の命が僕の手の中にあることを忘れるなよ…」
そう言って猫の首に手をかけぐぐぐっと力を入れ始めた。
「わーわーわー!!言うよ、言うから!!」
「ふん。…ん?首輪…に名前?
『鈴音』…?」
赤い首輪が着いており、首の後ろに名前が書かれていた。
「その名前は、僕が猫だったときに魔王様がつけてくれた名だ」
-鈴音か…。可愛い名前だな…。
「鈴音…いい名前だね。鈴音って呼んでもいい?」
「ちょ、澪!」
「…別にいいけど」
-澪、何その顔!いくら動物が好きだからって…!!
鈴音もなんか嬉しそうだし!
飛鳥は二人の様子を見て、イライラするのだった。
最初のコメントを投稿しよう!