俺から離れろ…!

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 キィンッ!!  振りかざした大剣は見事にリアの脳天にぶっ刺さった…と思われた。現に、目の前で澪の大剣がリアの顎のあたりまで突き刺さっている。しかし、「思われた」といったのは訳がある。それは、澪には全く手ごたえが感じられなかったのだ。おもわず、大剣を引き抜き、リアから距離をとった。大剣があった場所からは血が噴き出すはず…しかし、リアの形どっていたモノは揺らめきかき消えた。そう…先ほどから感じていた違和感は、対面していたモノがリアではなかったから起こったものだったのだ。  「……いつまでそちらを見ているのです?」  背後から、リアの声がした…そう思った時には遅かった。澪の鳩尾から下腹にかけてリアの鋼化した爪が突き刺さった。澪の口から、血が吐き出される。  「…がはっ…」  リアが爪を引き抜いたことで穴が開いた場所からどくどくと血があふれる。澪の視界がだんだんとかすんでいく。  ああ……俺、ここで死ぬのかな…。  そう思った、瞬間目の前が真っ白になった。
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