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とりあえず、うさぎは飛鳥の異空間に入れる。
「そん中で、なんか触ったら…殺すぞ」
「飛鳥―、顔が怖いぞ―」
飛鳥はウサギをひと睨みすると異空間を閉じた。
「なあなあ、その異空間てどうやんの?」
「うーん、僕は小さいころからできたからなー。
出すときは「こういうのを出すぞ―」みたいなイメージで
出してるかな?」
澪は少し考えた後、壁に近づき集中しだした。
その瞬間、壁に穴が空いた。
「あれー?壁じゃなくて、異空間につなぎたかったのに…」
穴があいた所を残念そうに触る澪。
「まあまあ、そのうちできるようになるって」
「うん…」
まだちょっとしょんぼりしている。
この後、敵でてきたとき大丈夫かなと思いつつも、
奥へと進んでいく。
すると、女の子のすすり泣く声が聞こえてきた。
「奥からだ!」
澪と顔を見合わせ、その場所に向かった。
すると、下級だが、大量の魔物が女子に群がっていた。
「だ、誰か…!助けて…!」
-なぜ…人がこの階にいる!?
ここは、屋上に行くためだけの廊下だ。
しかも、今は授業中。なぜ、ここにいる!?
そう考えながらも、飛鳥は魔物に向かって
「Fireworks!!」
と唱えた。
すると魔物の体がぷく―と膨らみ、バァンッ!!とはじけた。
「…花火?」
「そ。体ん中で割れるようにしてんの」
そう澪に説明しながら、女の子に近づいた。
「大丈夫?怪我はない?」
「は、はい。ありがとうございます…」
そうとう怖かったようで、涙を流していた。
しかし、飛鳥はいつでもこの子を殺せるようにと、短剣を
つかんでいた。
それに気づいた澪が、飛鳥の手を抑え
「何やってんだ。ただの女の子だぞ」
「…っ!…ごめん」
-まさか澪に言われるとは思わなかった。
でも澪は気付いていないのか?十階になぜ女の子がいるのかを…
そんな事を考えて、表情が暗くなっている飛鳥。
しかし、澪も不思議に思っていた。
-なぜ、ここにいるのか。ネクタイの色から3年生だとわかるから
授業をさぼっている俺を呼びに来たとは思えない。
なぜ?
そう二人が考えこんでいた。
その二人を見て、女の子は口の口角をあげて笑った…。
澪と飛鳥は、今までとはケタが違う魔力を感じ、
体中に鳥肌が立った。
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