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そして次の角を曲がった瞬間死ぬほど後悔した
神崎 優「そ…そんな……っ!?」
なんというお約束の展開だろうか
目の前は塀に囲まれた行き止まり、しかも飛びついても掴めそうにない高さの
ここまで見事にコンボが来ると正直泣きたくなる、実際泣きそうだけど
クロ「…っ」
クロが毛を逆立てて見た先には
「………」
真っ暗な怪物
そうとしか言いようのないそんなものが立っている
いや、実際は浮いているのかもしれない、影の様なモヤモヤが無理やり人の形になっている感じの形容し難い『何か』
神崎 優「…ひっ」
正直もう走り続けてもう動ける余力はない
じりじりと迫る化け物、逃げ場もない、まさしく絶対絶命だ
わかる事はただ一つこいつは僕を狙ってる、それだけは確かだ
でもそれなら、それならと僕はちらりとクロを見る
クロ「それなら、この私でもせめて逃がせれば、とか思ってないだろうな?」
神崎 優「…っ」
毛を逆立たままのクロがそんな事を言いだした
簡単に胸中を見抜かれて、胸が高鳴る物を感じる
クロ「ひとつだけ方法がある」
そんな事を言ってクロはいつの間にか咥えていた物をこちらによこした
神崎 優「…これって」
それは俗に言うチョーカーと呼ばれる、首輪の様な装飾品だ
ただそのチョーカーにはつなぎ目のところが女の子らしいハートの宝石っぽい物の様な装飾が施されてる
正直に言おう、ぶっちゃけ付けたくない
クロ「そいつを付けて『原初の加護を』と言えばいい、それで契約が完了する」
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