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その後数分に渡って繰り広げられた履き物談義が終わって
夜ご飯も終わり、お風呂に入った後の自室にて
優「ふ~、いい気持ちだった」
ほこほこと身体から湯気を立てながらタオルを片手に部屋に入ると
クロが同じように身体から湯気を立ち昇らせながら丸くなっていた
クロ「何度入ってもやはり湯浴みはこの姿では慣れんものだ」
そう思うなら身体を洗うときに暴れないで欲しい、これでも苦労するのだから
そのままベッドに座ってふう、と息を付くとクロが話しかけてきた
クロ「本当に良かったのか?」
クロが言いたい事は恐らく魔法少女の事だろうか
身体を丸くして顔が見えないので表情は見えないが気にはしているらしい
優「あはは…たしかに、状況が状況で、確かに強制的っぽかたけどさ
でも、二人とも、やりたくないならやらなくても良いって言ってたじゃん」
苦笑交じりに頬をかいて話す僕にそのまま聞いているクロ
優「でもさ、このまま放っておいたらまた被害者がでるでしょ?
…たしかに女装は嫌だけどさ、でも誰かが悲しんだり泣く事になるのはもっと嫌だからね」
クロ「………………そうか」
それだけ呟くとクロは更に身体を丸めだした、おそらく寝るのだろう
僕もそろそろ寝るとしよう、流石にちょっとばかり疲れたし、なんか恥ずかしいセリフも言っちゃったしね
部屋の電気を豆電球にしてベッドに寝転がる
優「お休み…クロ」
瞼を閉じながら小声で呟くと少ししてから背後から声がした
クロ「…ああ、おやすみ」
クロの声が聞えてから少しして僕はゆっくりと眠りについたのだった
…これから、色々な事もあるだろうけど、でも
きっとこの『家族』なら大丈夫
破天荒だけどいざという時に頼れる母様が居て
分からない事が多いけどこれからパートナーとして一緒にいると言ってくれたクロが居て
そしていまでも『空の上から』きっと見守ってくれてる、『父』も居る
だからこそ、僕は、弱音は吐かない、きっと…これからも
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