魔法少女としての日常の始まり

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丈「それにしても…ふむ」 並走しながら丈君からの視線を感じる… やっぱり違和感がないはずがない、長さ的には10数センチ伸びている訳だし 丈「ようやく…ようやく素直になってくれたんだな!奏!」 奏「開口一番で訳がわからない事言わないで下さいませんかねえ!」 とても良い笑顔で力を入れて親指を立ててきたのでその親指をメキメキと手首の方へ曲げてみようとしてみる 丈「ははは、奏、俺の親指はそっちには曲がらないゾ」 冷や汗をかきながら笑顔を絶やさない 奏「なら、余計な事を口走らないでもらえませんかねえ♪」 負けじとこちらもにっこりとしながら親指を解放をしてやる 丈「…なんか事情があるんだろ?」 奏「!」 親指をさすりながらも並走を絶やさない丈君がぽつりと呟く なんでこの中学生からの付き合いの友人はこんなにも勘がいいのだろうか 丈「ま…話せない様な事情なら別に構わない、悪かったな」 ポンと僕の肩を叩き、ふっと笑う丈君 奏「(実は魔法少女になった影響でこうなったんだ)」 なんて、言えないからなぁ… ちょっとばかり心苦しいけど、丈君には黙っていよう 丈「まあそれでだ、是非とも被写体としてのモデルをだなおぶわ!?」 先程の態度とは一転、目を輝かせながらデジタルカメラ片手にこっちを見て来た 丈君に腰の効いたボディブローを叩き込んでその場を後にする 奏「まったく…丈君ったら…」 相変わらず油断も隙もない男である うめいて地面に突っ伏している丈君を尻目に小声で“ありがと”と呟く僕だった
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