魔法少女としての日常の始まり

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ざわめく生徒たちを尻目に教室にたどり着いた僕と丈君は そのままお互いの席に付くと走り込みで火照った身体をひんやりした机で落ち着かせてHRを待つのだった 「よーし、席に付けお前ら~HRすっぞ」 のぶとい声のいかつい感じの男教師が中に入ってくる この先生は特定の教科の先生という訳ではなく指導教員というやつらしい 非行に走ったりいじめの相談にのったりといった感じの役割の教員とのこと 「えー、お前らに嬉しいお知らせだ、不審人物と思わしき通り魔の件だがな」 その話題が出たときに心臓が跳ね上がりそうになる 無理もない、先日の事で、しかも当事者なのだから 「先日、警察から連絡があってな、無事に犯人が捕まったそうだ」 奏「……………え?」 その知らせが聞こえた瞬間、周りが安堵だったり喜びでざわめく中 僕だけが疑問に思わざるをえなかった、犯人なんかいない、何故なら僕とクロが倒して“消滅”したのだから 「静かにしろー、と言ってもまた出てこないなんて事はないんだ、十分気を付ける様にな」 ぽりぽりと頭をかいながらそう不躾に言うとそのままチャイムが鳴り響きHRが終わった 皆が安堵する中、自分だけが腑に落ちずに疑問を持ちながら 僕はただただ唖然とするしかなかった
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