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       テレビをつけると、五月蠅いぐらいにワイドショーのキャスターが早口で何事かをまくし立てている。  何時もならぼんやりと聞き流すしいなだったが、そのニュースの内容に、春香が差し出した皿を受け止める手を止めた。 『新しいSNSのゲームで、意識不明の人が多発しているとのうわさが流れております!これはいったい真実なのでしょうか!?』 「…は?」  しいなが手を止めたまま、テレビ画面を見て呟くと、春香はしいなの手の上に皿を乗せてから、同じようにテレビ画面を見つめた。 「携帯ゲームで、意識不明って…?」  春香の台詞には答えずに、しいなは両手で持っていた皿をテーブルの上に置くと、まだ湯気の立つスクランブルエッグを口に運ぶ。何時も通りの味で美味しい。 「変な話だね?しいちゃん。」 「…ああ。」  しいなの返事が短い事に春香は慣れているので、気にもせずに自分も椅子に座ると、笑顔で朝食を口にする。  しいなはテレビの中で話題が続いているのを耳に入れながら、自分に今朝届いた差出人不明のメールの事を考えていた。  ―――確かに、ゲームのメールだったな。  テレビではまだ不明な点が多いらしく、そのゲームの題名までは報道されていない。
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