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ー最初は、その「声」がすごく気になった。 「蒼、聞いてる?」 次に気になったのは、その、シルバーのヤツ。 「なぁ、」 細身のスーツの袖から覗く、ゴツくて大きめの腕時計が。 彼が動く度にカチリカチリと金属音を鳴らす。 某有名ブランド名が刻まれているそれは、常に彼の左腕を独り占めしていてー。 気付けばいつも無意識に、その存在に視線が止まる。 毎日磨かれているかのような、ピカピカのシルバーのヤツ。 大事そうに飾られてー。 ー私、時計相手に、嫉妬している…。
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