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不審そうな目をしたまま、松田さんがカフスと時計を外し始めるから、必然的に私の視線はそちらへ移る。 もう、クセだこれは。 「つうか、なに?まだ気になんの?コレ。」 半ば呆れた様子で時計を外し終えた松田さんは、クルリと人差し指で腕時計を一回りさせると、そのままこちらへポンと投げた。 「わっ!?あ、あぶな…っ!!」 危うく落としそうになりながらも、ギリギリで両手でキャッチした私。 「やるよ、もう。それ。」 「あ、あの、そーゆー意味で見てたわけじゃ…。えっと、コレ…、ずっと大事に使ってますけど…、誰かからのプレゼントとか…、」 「は?いや。自分で買ったけど?昇進祝いかなんかで。って理由は忘れたけど。」 「あ…、自分で…。」 なんだ…。 そーだったんだ…。
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