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「おわっ!?」
走っていた少年は何かに躓きバランスを崩してしまい、顔面から地面にスライディングをかましてしまった。
「つっ…」
痛む鼻っ柱をおさえながら少年はゆっくり立ち上がろる。
『やれやれ。やっと追い付いたよ。――…大丈夫かい、君?』
「…?――ぎゃあああっ!!?」
少年は背後から声をかけられ思わず振り返る、そして月明かりに照らし出されたその者の顔を見て思わず叫んでしまった。
「ぼ、僕が…いる」
そう、少年が驚くのも無理はない。
―――何故ならそこにいた者はまるで鏡でも見るかの様に全てが自分と瓜二つだったからだ。…着ている服を除いては。
普通の長袖の洋服を着ている少年に対し、その者は白装束を身に付けており腰には何やら刀の鞘の様な物をぶら下げている。
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