4.『一夢庵風流記』 隆慶一郎

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4.『一夢庵風流記』 隆慶一郎

 舞台は戦国時代。  天下一の傾奇者・前田慶次郎が暴れ回る痛快娯楽時代劇である。  少年ジャンプで連載されていた「花の慶次」の原作、と言えばわかる人も多いかも知れない。  天下無双の豪傑・慶次郎の活躍が無条件に男の闘争本能を刺激する。  そして何より、自由を愛するさすらい人・慶次郎の生き様が、男のロマンをかきたてる。  メシは一日二合の米が有れば良い。  家は雨露を凌げればそれで良い。  無数の戦国武将の中から、この前田慶次郎という人物を選び光を当てた時点で、  この小説の面白さは確約されたと言っても過言ではない。  このキャラだけで間違いなく読者はノックアウトされるだろう。    秀吉との対決シーン。直江兼次との友情。男気パワー爆裂である。  ジャンプで「花の慶次」を読んだ人も、読んでない人も、一度は読んでみるべし。  面白さは私が保証する。  というワケで、漢なら読め!!  余談になるが、かつて仲の良かった女友達と、 「今年読んだ中で一番面白かった本をお互い交換しよう」  と言うことになり、  この『一夢庵風流記』を渡したところ、一週間後に 「マッシー、こんなの面白いの?」  と言われて凹みました。  そのお返しに 「こんな女の腐ったみたいな本が読めるか!」  と言って『キッチン』(吉本ばなな)を突き返したことは男の意地である(笑)  男性にとっての「面白い」と女性にとっての「面白い」は根本的に違うのだろう。  男と女の間には、深くて暗い河がある。        その他の隆慶一郎作品。   ・影武者徳川家康     ・吉原御免状       ・かぶいて候        ・死ぬことと見つけたり     ・鬼麿斬人剣 
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