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1.『神々の山嶺』 夢枕獏
漢の読む小説としてまず最初に挙げなければならないのは夢枕獏さんだろう。
獏さんの作品は全て男気に溢れる作品ばかりで、どれを挙げるか迷ったが、この作品を選んだのは、そこに静かで厳しい闘いが描かれているからだ。
獏さんと言えば、スリルとバイオレンスのハードボイルドアクションと言うのが定番だが、そこから少し外れた作品も有り、その中に隠れた名作が多い。
この『神々の山嶺』はその代表例だろう。
男がただひたすら山に登っていく話だ。
拳法の達人や暴力団は出てこない。
派手なドンパチも殴り合いも無い。
だが、それはまさしく命懸けの戦いである。
相手のいない闘い。
自分自身との闘い。
厳しく険しく、そして孤独で神聖な戦い。
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