お手紙。

25/28
前へ
/28ページ
次へ
お仕事から帰ってきたら、もう完全に亡くなっていたこと。 朝は元気だったこと。 掃除機がたてかけてある近くで、目を開けたまんまだったこと。 ルビー色の瞳は、 少しずつ灰色になっていっていること。 そして、 「まだ、あたたかいんだよ」 7年間以上一緒に暮らしてる家族。 ひとりで発見して、ひとりでなんとかしようと焦ったに違いないおとうさんは、 あたしへその報告をしているときから、耐えられずに泣いて、泣いて、 あたしに、 生きててくれよ、って言った。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加