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「まずやることはー生徒会の皆様との距離を縮めることー」
「だから既にそれは不可能――」
「ようちゃーん、黙ってー」
まだ具体案を出してないのに異論を唱えられるのはイラつく。そのため言葉が低くなってしまった。
「皆にこれから先ーひとつだけしてほしいことがあるのー。生徒会の皆様がお1人でいる時、必ず声を掛けてー」
どういうことか首を傾げてる隊員たちは放置し、チョークを持って黒板に書き始める。
【約束ごと】
・1人になった役員に「学園が荒れて危険だから目的地までおくる」ことを申し出る。
・声を掛けるときは生徒会親衛隊だと名乗る。
・直接声を掛けるのは1人~2人。見えない位置に警護数人。
・断られた潔く下がる。
・別れる際に労わりの言葉をかける。
(こちらから生徒会の仕事については触れない事)
・役員から聞いてきた場合は「たまには休憩も大事」など。
(決して柳留奈のせいにしてはいけない)
・話した内容は全隊員に一斉送信で伝えること。
他にも書ききれないぐらい注意事項を書き上げた。
隊員たちはメモ帳に写したり、携帯に打ち込んだりしている。生徒会役員と話が出来るかもしれないということで一生懸命だ。
「今まで気付かれないようにしていた警護を堂々と行うということですか?」
「由紀ちゃーん、その通り!! 仰々しくするの逆効果になるから直接行く人数は制限しないとーなんだよねー」
モテモテな彼らを守るため常に10人以上の人がコッソリと護衛に付いていた。
役員は族の幹部だけど、死角から襲われたりする可能性だってあるからね。
隊員たちに目的を伝え、納得してもらってから解散した。
こちらの誠意が伝わるまでは暴言は吐かれるかもしれないが耐えて欲しい。いつか自分たちの想いに気付いてもらって生徒会役員が元に戻ることが、結果的に自分たちのためになることを忘れるなよ。
会議室を出て行く隊員たちに心の中で話し掛けた。
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