第1章

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潮騒が天上に乗り、漂う集合は午睡を分かち合う。昏い無垢は逆転裏返し、集合は分裂散逸繰り返し、やたら滅多に慌てふためき、拡散すれば収束して、軌跡の両側に矛盾した集合が二組。 浮浪の者が銅鑼鳴らし、奴らが見遣ったは打ち手の顔。 均衡破られ膜弾け、両者駆け抜け踊り血気盛んに浮浪を許さず。 一でも勝てば呑み込んで、一でも負ければ呑み込まれ、潮騒高まり、雲行き怪しき、いつの間にやら嵐の予兆。 幾度もぶつかり進まぬ両者。互い押し退け、山崩し。 そんなこんなで地上を眺めりゃ、すたこらさっさと身を隠され、足跡なくては奴追えず、晴れ間差し込み、惚けた午後。おまえのせいだといがみあい、傍迷惑ないざこざばかり。 遙かな月日。小康望めず小競り合い。 今日に於いて、それは善と悪などと呼ばれている。  
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