0人が本棚に入れています
本棚に追加
うーん、重い。重いよ。
まだ重い瞼を開けると、お腹に毛玉が乗っている。猫である。しかし、猫は起きていて、こちらを向いて様子を伺っている。
わざとだ。わざと起こすためにお腹に乗っているのだ。しかし、ここで怒ってはいけない。ただ、ごはんの時間だから起こすのだ。
「......おはよう。ごはん食べるの?」
「くぅ」
猫は、返事をして立ち上がる。お腹の上で。
痛い!足が食い込んで痛い!わたしは、我慢して猫を撫でる。猫は、満足したように床に降りる。わたしのお腹を蹴って!痛いっての!しかし、我慢だ。これしきのことで怒ってはいけない。
わたしは起き上がり、ベッドの端に座る。すると、猫が膝の上に上がってくる。朝一のもふもふだ。頭を撫でると、頬をわたしの手に押し付けてくる。掻いて欲しいのだ。頬を掻いていると、気持ち良さそうに目を細め、右に左にと顔を動かし、掻いて欲しいところを要求する。
むふ~んと、もっともふもふを堪能したいが、 朝は忙しい。と思っていると、スキンシップは猫の甘噛みで終了となる。わたしが立ち上がる素振りをすると、猫も膝から降り、尻尾を立ててキッチンへ向かう。
さあ、朝の始まりだ。
最初のコメントを投稿しよう!