20人が本棚に入れています
本棚に追加
二番です。
♪雨の落柿舎♪たんぼ道♪
♪藪の茶店で♪書く手紙♪
♪きのう別れた♪あの人に♪
落柿舎(らくししゃ)とは
松尾芭蕉の弟子・向井去来の居跡です。
落柿舎は嵯峨野の中心に位置しています。俳聖松尾芭蕉の門下(蕉門)十哲のひとり、向井去来の別邸でした。
田園風景の中にあります。
♪雨の落柿舎♪たんぼ道♪
この《たんぼ道》という言葉だけで、落柿舎が田園風景にある事を伝えています。
そこへ雨の降る日に、一人旅の女性が訪ねた行ったと表現しているのです。
うーん。見事ですね。
落柿舎について少し調べました。
落柿舎。落ちる柿……何故、この名前なのか?
庭にある柿の木40本を、或る商人が立木のままで買い入れたのです。ところが、代金を置いて帰ったその夜に運悪く台風に見舞われて、柿の実が全部落ちてしまった。
可哀想なので、売主である去来が全額を商人に返金してあげた。
それが落柿舎の名前の由来だそうです。
里ふりて 柿の木もたぬ 家もなし
松尾芭蕉
柿ぬしや 木ずゑは近き あらし山
向井去来
去来は長崎で生まれ、京都にのぼり芭蕉に師事しました。
温厚篤実な人柄で蕉門をまとめ、後世の芭蕉研究の最高の書として知られる「去来抄」を残しました。
芭蕉は1691年(元禄4年)48歳の時に落柿舎に滞在して「嵯峨日記」を書いたと言われています。
この嵯峨日記の最後に記された俳句が
五月雨や 色紙へぎたる 壁の跡
松尾芭蕉
最初のコメントを投稿しよう!