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リビングの空気は ホンワカが漂っていて おとうさんまでもが青木君に笑いかけていた。 「咲良さんは本当に頭が良くて 驚くような事ばかりです」 そりゃ自分の家族を誉められて悪い気がする人は少ないだろう。 デレデレするおとうさんが高らかに笑ったその時だった。 リビングの扉は この中の事を気にする素振りなど微塵もなく開き 「かあさん、ちょっと出てくるわ」 志伸さんが顔を出す。 「おにいちゃん、どこか行くの?」 お母さんの朗らかなセリフに頷き 視線を移した先はあたしではなく、青木君。 「ああ、お客さん?」 「そう、ほら、華の」 何事もなく続いてゆく会話。 「いらっしゃい」 人当たりのイイ微笑み 「華がいつもお世話になっています」 ……ここもなんとなく居心地が悪くなったのは きっとあたしだけだ。 青木君はただの友達なのに 気にする事、無いのに。 気にしてほしいと 思っていたのかもしれない。
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