キミを好きになった日

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「とっうりくーん」 「ぐへっ」 毎度毎度、性懲りもなく背後から抱きついてくるのは小学校からの腐れ縁で且つ……恋人の聖護。 もとい、俺たちは男同士である。 「重いねんて」 「そりゃあ、菫梨くんの方がちっちゃいんやからしゃーないやん」 「うっせー。お前が無駄にデカイんちゃうんか」 「この体は菫梨くんを守るために大きくなったんです」 「うざー」 「ひっど」 俺の顔の横でアハハと笑う聖護は、やっぱり嬉しそうで。 「誰かに見られたらどうすんねん」 「タヌキしか見てへんて」 「そうやけど……」 焼き物の街、信楽。 人間よりもタヌキの方が多いこの街で俺たちは小さなキスをした。 それが俺たちの日常。 今なら、はっきりと言い切れる。
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