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「じゃあ、また昼休み」
2年生の教室が入る階まで昇ってくると、いつも通りのセリフで聖護と別れた。
「あ、菫梨くんっ」
「何や?」
背中を呼び止められ振り向いた。
「今日な……」
「菫梨、おっはよー」
「どわっ」
後ろから肩を組んできたのはクラスメイトの勝谷。
「お前な……」
「おっ、何や。2人はまた同伴登校かいな?
ほんま、仲ええな」
「地元が同じなんやからしゃーないやろ。
お前こそ、今日は彼女と一緒ちゃうんか?」
「そんなもん、とっくに別れたわ」
「マジでっ!?
その割にはえらい元気やんか」
中学からの付き合いやと言ってた2人は学園内でも有名なカップルやったんやけど……
「アイツとは友達に戻っても上手くやってるからな」
「そうなん?」
「そうや。だからな菫梨、今日の放課後大津女子の子らとカラオケ行くんやけど行かん?」
肩を組まれたまま教室へと連れていかれる俺。
聖護の言葉も存在も置き去りにしたことに気づけていなかった。
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