キミを好きになった日

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「なぁ、菫梨。 今日のカラオケ、アイツも呼ばへん?」 「アイツて?」 「お前の嫁さん」 「嫁さんて誰やねん」 教室に入るなり教室の片隅で勝谷に放課後の妄想に付き合わされている。 「聖護やっけ?アイツ、男前やんか? 女の子、喜ぶ思うで」 「そんなん言うてたら全部持ってかれんで」 聖護は昔からモテた。 もちろん女子に。 勉強もスポーツもできて、あの人懐っこい性格とくれば女子が放っとくわけない。 「俺、べつに彼女欲しいわけちゃうから。 みんなでワイワイしたいだけやし」 「ほんまけ?」 「ほんまやって。しばらく恋沙汰はええわ」 なんやかんや言って、元カノのこと引きずってるやんけ。 ちょっとした間に窓の外を眺めるコイツを見て、勝手にそんなことを思った。
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