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「……そういうわけやけど、お前どうする?」
昼休み、いつもの場所で聖護と弁当を食いながら声を掛けてみた。
「……菫梨くんは行くん?」
「俺?まぁ、アイツの顔も立ててやらなアカンし、何か騒いでスッキリしたいみたいやし……一応な」
何か胸に引っ掛かるものがあってハッキリ言い切れへんた俺の隣で聖護は弁当箱の蓋を閉じた。
「弁当、まだ残ってるやんけ?」
「あんま食欲なくて……」
「どっかしんどいんか?」
右手で触れた聖護の額はどっちかって言うたら冷んやりしてた。
「熱は無いみたいやな。
勉強のし過ぎちゃうんか?」
どんなに長い付き合いでも聖護の弱音を聞いたことがない。
いつしか黙って頑張り過ぎてしまうコイツを止めるのは俺の役目みたいになってた。
「勉強大変なんは分かるけど、ほどほどに……」
「菫梨くんは、ほんまズルいな……」
「は?……んっ」
突然、遮られた視界。
もたれていた壁に押しつけられる体。
聖護の舌が俺を絡め取ろうとする。
こんなとこでっ……
「ふざけんなっ」
突き返した大きな体。
何でそんな顔すんねん。
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